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Message

ふんがさんや研究室のメンバーからのメッセージです.

ふんがさんからメッセージ

研究内容紹介

コンピュータは,パソコンだけを指すのではなく,実は,身の回りのあらゆる所に使われています.携帯電話,BDレコーダや音楽プレーヤ,ディジタルハイビジョンTVなどは,マイクロプロセッサとメモリを含む様々なハードウェア,ソフトウェアが協力して動くシステムになっています.天野研は,これらのITシステムアーキテクチャの研究室です.未来のITシステムアーキテクチャには,今までとは違った構成方法が重要になっています.我々は「並列処理」「リコンフィギャラブル」「低消費電力化」の3つをキーワードとして新しいアーキテクチャにアプローチします.特に前者2つの分野では,天野研は世界でもトップクラスの実績とアクティビティを持っています.

並列処理

「並列処理」とは,小さな処理装置を同時に動作させることで,処理速度を上げる方法です.もうインテルでさえ,クロックの速度を上げることを諦め 並列処理に移りつつあります.また,最近,並列処理は,電力を抑えてバッテリーを長持ちさせる方法としても注目されています.世の中はおそまきながら我々の研究している方向に向かっています.

リコンフィギャラブル

「リコンフィギャラブル」とは,耳慣れない言葉だと思いますが,ハードウェアの構成を瞬間的に変えてしまう「変身ハードウェア」です.我々が研究を始めた10年前は,皆に馬鹿にされたアイディアでしたが,ようやく最近,この考えに基づくチップが使えるようになり,商用チップも現れて,注目されています.この変身ハードウェアは携帯電話から情報家電まであらゆる場所に使うことができます.変身ハードウェアの中で使われているのは実は「並列処理」の技術で,天野研ではこの2つのアプローチは密接に結び付いているのです.

我々の対象はITシステムアーキテクチャなので,研究対象はコンピュータ本体に留まりません.バイオインフォマティクス用システム,ビジョンシステム, 音声方向特定システムなどの応用分野に合わせたアーキテクチャの研究も盛んです.

低消費電力化

最近では,半導体技術の微細化に伴い,使ってない時も流れてしまう「漏れ電流」の量が著しく増えています.これはバッテリからエネルギー供給を受けて動作する,モバイル機器にとっては大きなダメージとなります.従来,多くの低電力化技術の研究がなされてきて,様々な手法が提案されてきました.しかし,それらのほとんどの手法は,プロセッサが動いている時の電力削減手法であり,この漏れ電流は防ぐ事ができません.我々は,新しい低電力化手法技術によって,この漏れ電流を極力なくす事で,プロセッサの低電力化を目指しています.

ふんが研の研究方針

天野研では以下のことを大事にします.

アイディアはなるべく実際のシステムで実現する.

作ってみなければわからないことが世の中にはたくさんあります.我々はできるだけアイディアを作ってソフトウェアとアプリケーションを動かして評価します.我々の作っているシステムを見てください.

なるべく好きなことをやり,得意分野を伸ばす.

ハードの設計が好きな人,プログラミングが好きな人,アイディアを考えるのが好きな人,色々なタイプの人が,それぞれまず好きなことを伸ばすのが天野研です.アイディアがあって,それを研究したいならば,自分でプロジェクトを立ち上げることができます.お金もなんとかします.

成果は国内外で積極的に発表する.

せっかくの研究も,発表しなければ意味がありません.天野研は国内,国際学会で積極的に発表します.多くの修士の学生が国際学会に出席して発表しています.留学生や国内外の来客も多く,開かれた研究室です.


ふんが研は,自己責任をベースとした自由な研究場所です.やるべき時までにやるべき事をやればどのような研究スタンスを取っても文句は言われません.毎週1回,予定を確認するためのミーティングを開きますが,あとはプロジェクト,グループ内のミーティング,輪講はメンバの日程を調整してスケジュールします.

研究はふんが直属のプロジェクトを除いて学生が主導します.ふんがは,指導教員というよりも,共同研究者として学生主導のプロジェクトに協力します.他大学との共同研究,RWC,STARC等他の研究機関との共同プロジェクト,企業との共同研究も盛んです.安西・山崎研とは部屋を共有し,合宿も一緒に行きますし,情報交換も盛んです.

その他

全員が修士に残ることを前提とします.これはシステムLSI設計能力,プログラミング能力,研究能力をきちんと身につけるためには1年では不足するからです.また修士で良い仕事をした人は出来る限り博士に残ることを勧めています.世の中不況ですが,我々の分野はまともな設計者が極端に不足しているため,常に人手不足であり,うちの研究室の出身者は引き手数多です.

就職先は,半分は半導体メーカです.メーカに就職した人の多くは即戦力としてチップ開発に携わり,かなりの割合でアメリカ等海外で仕事をしています.

PS2のEmotion Engine,NECのオンチップマルチプロセッサ,SONYのモーバイル端末,日立のスーパコンピュータなど,うちの研究室のOBが開発に携わった製品は数多く,日本の先端IT産業をリードしています.もう半分は,公務員,広告代理店,商社等,情報工学科出身者としては意外な業種に進み,その専門知識を生かして活躍しています.

最後に

3年生の皆さん,皆さんがモノ作りが好きで,コンピュータが嫌いでなければ必ず天野研で良い仕事ができます.是非一度研究室を自分で見てください.皆様の来研をお待ちしています.