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A.3 広域オプション

`cvs_options' (`cvs_command' の左側に与えられる) として利用できるものを以下に示します:

-b bindir
RCS プログラムのあるディレクトリを bindir とします。 環境変数 $RCSBIN よりも優先します。 この値は絶対パス名で指定して下さい。
-T tempdir
一時ファイルが置かれるディレクトリを tempdir とします。 環境変数 $TMPDIR の設定や、 コンパイル時のディレクトリ設定よりも優先されます。 この値は絶対パス名で指定して下さい。
-d cvs_root_directory
リポジトリのディレクトリのパス名を cvs_root_directory とします。 環境変数 $CVSROOT よりも優先します。「4 リポジトリ」参照。
-e editor
リビジョンのログ情報の入力に editor を使用します。 環境変数 $CVSEDITOR$EDITOR よりも優先します。
-f
`~/.cvsrc' を読みません。 このオプションが最も良く使われるのは、 CVS のオプション設定に直交性がない時です。 例えば `cvs log' のオプション `-N' はタグの表示を抑制しますが、 これに対して表示を行なうオプションはありません。 従って、`~/.cvsrc'`log' エントリに `-N' があったとき、 タグを表示するには `-f' を使用する他ありません。
-H
指定された `cvs_command' の使用法を表示します (コマンドが実際に実行されることはありません)。 コマンド名を指定しない場合には、 `cvs -H' は利用できる全てのコマンドの要約を表示します。
-l
`cvs_command' をコマンド履歴に記録しません (しかしコマンドは実行されます)。 コマンド履歴の情報は 「A.10 history---リポジトリの利用履歴を表示」 参照。
-n
ファイルを更新しません。 `cvs_command' を実行した場合の表示だけが行なわれます。 既存のファイルを削除, 更新, マージしたり、 新しいファイルを作成することはありません。
-Q
コマンドの出力が完全に抑止され、 重大な問題が発生した場合にのみ出力が行なわれます。
-q
冗長なコマンドの出力が抑止され、 再帰的にサブディレクトリを辿る時の報告などは行なわれません。
-r
新たな作業ファイルを読み込み専用にします。 環境変数 $CVSREAD を設定するのと同じ効果があります (「C CVS に影響する全ての環境変数」参照)。 既定では、監視されてない限り作業ファイルへの書き込みが許可されます。 (「6.6 ファイル編集者の追跡機構」参照)。
-s variable=value
ユーザ変数を設定します (「B.10 管理用ファイルにおける変数展開」参照)。
-t
プログラムの実行状態をトレースします。 CVS が実行する各ステップの情報を表示します。 `-n' オプションと共に使用し、 不慣れなコマンドの潜在的な影響を調べるのに便利です。
-v
CVS のバージョンと著作権情報を表示します。
-w
新しい作業ファイルを読み書き可能にします。 環境変数 $CVSREAD の設定を無効にします。 $CVSREAD が設定されておらず、 `-r' オプションも無い場合には、 作成されるファイルは読み書き可能とされます。
-x
クライアントとサーバ間の全ての通信を暗号化します。 これは CVS クライアントでだけ意味を持ち、 またケルベロス接続を用いる場合にしか 実装されません (「4.6.3 ケルベロスによる直接接続」参照)。 暗号化機能は既定状態では実装されず、 特別に `--enable-encryption' を指定して CVS を構築する必要があります。
-z gzip-level
圧縮レベルを設定します。 CVS クライアントでだけ意味を持ちます。


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