: レイテンシの比較
: 調査したクラスタシステム
: SHRIMP
StarT-Voyager[5][6]はノードにスヌープキャッシュを
利用したSMPを想定しており、試作システムのPUはPowerPC 604eである。NIは
SMPのプロセッサカードスロットに挿し(図3)、スヌープキャッシュ
プロトコルによりキャッシュコヒーレンスを維持する機能を持つ。キャッシュラ
インの状態を保持するSRAMを拡張して送受信キューの対応づけを行い、プロテ
クションは512ある送受信キューのマッピングにより実現される。これらの機
能は、NI上のプロセッサが周辺ハードウェアへ指示を出すことにより実現され
る。
NIはPUから発せられたメモリバスアクセスをスヌープし、指定されたアドレス
へのトランザクションをリモートのメモリトランザクションとして取り扱い、
データの送受信を行う(バススレーブ動作)。キャッシュラインの無効化メッセー
ジなどもそのままリモートへ転送する。また、送信されてきたデータの主記憶
への書き込みや、PUの指示により主記憶上のデータの送受信をDMAで行う(バス
マスタ動作)。前者の機構が共有メモリに、後者の機構がメッセージパッシン
グに対応する。
Jun-ichiro Tsuchiya
平成12年12月21日