SHRIMPやStarT-Voyagerでは、メモリバスをスヌープ、あるいは直接接続するタ イプのNIを用い、共有メモリをサポートするなど、機能面で有利であるが、コ スト増大と汎用性の低下を招く。従って、汎用のPC/WSを対象とし価格性能比が 利点であるクラスタコンピューティングの利点を損なってしまうため、望まし くない。
ATOLLはPCIバスのようなI/OバスにNIを接続した際のレイテンシ増大を高速な PIOとスイッチ統合というアプローチで解決を図っている。しかし、TLBを持た ずプロテクションなどをホストCPUに頼っている点で、実効性能はそれほど望め ないのではと考えられる。従って、他の2つのように、NIにTLBを持ちプロテク ションを提供する方式が望ましい。
調査した全てのNIはレイテンシを重視した通信機構と、バンド幅を重視した通 信機構の2種を持っていた。このように、アプリケーションの要求に合わせた通 信機構をNIが提供することは重要である。また、ホストとの接続方式は、汎用 性とコストの面からPCIバス等の高速I/Oバスに接続する方が望ましく、レイテ ンシ低減が重要な課題となる。