3. シミュレーションの実行 
./configureを実行する際に`--enable-sample'を指定する
と、ISISをインストールした際に以下のサンプルシミュレータがインストール
される。なお、命令レベルシミュレータ上でプログラムを実行したい場合には、
ISISの他にOSIRISをインストールする必要がある。OSIRISはISIS上で実行可能
な形式の実行バイナリを生成するためのツールである。実行バイナリの生成方
法など、詳細についてはOSIRISのマニュアルを参照されたい。
- `isis_single_r3081'
 - 単一のR3081プロセッサからなる計算機シミュレータである。
 - `isis_p_sharedbus'
 - バス結合型並列計算機の確率モデルシミュレータである。
 - `isis_sharedbus'
 - 複数のR3081プロセッサを共有バスで結合した、バス結合型並列計算機シミュ
レータである。
 - `isis_sncache_illinois'
 - 複数のR3081プロセッサをillinoisプロトコルを使用したスヌープキャッシュ
と共有バスで結合した、バス結合型並列計算機シミュレータである。
 - `isis_tracemaker'
 - 複数のR3081プロセッサをマルチポートメモリで結合した並列計算機シミュレー
タである。メモリ参照のアドレストレースファイルを出力することができる。
 
 3.1 isis_single_r3081 
単一のR3081プロセッサからなる計算機シミュレータである。
- `-c'
 - `--clock'
 - 実行に要した総クロック数を実行後に表示する。
 - `-g'
 - `--gdb'
 - gdbによるリモートデバッグを行う。
 - `-h'
 - `--help'
 - 実行方法の簡単なヘルプを表示する。
 - `-m'
 - `--monitor'
 - モニタモードで実行を行う。
 - `-v'
 - `--verbose'
 - 冗長なメッセージ出力を行う。
 - `--trace'
 - 実行中のプログラムカウンタの値を表示させる。
 - `--udp'
 - gdbによるリモートデバッグの際にUDPを使用する。
 - `--version'
 - シミュレータのバージョン情報を表示する。
 
 3.2 isis_p_sharedbus 
バス結合型並列計算機の確率モデルシミュレータである。アクセスは一様分布
の疑似乱数によって行われる。
- `-a'
 - アクセスの生起確率を指定する。
 - `-d'
 - メモリのアクセス遅延時間を指定する。
 - `-p'
 - プロセッサ数を指定する。
 - `-r'
 - リードアクセスの確率を指定する。なお、リードアクセス確率 + ライトアク
セス確率は常に1である。
 - `-s'
 - アクセスするアドレスの範囲を指定する。
 - `-w'
 - ライトアクセスの確率を指定する。
 
 3.3 isis_sharedbus 
複数のR3081プロセッサを共有バスで結合した、バス結合型並列計算機シミュ
レータである。スヌープキャッシュは搭載されていない。
- `-c'
 - `--clock'
 - 実行に要した総クロック数を実行後に表示する。
 - `-d<n>'
 - `--delay=<n>'
 - 共有メモリのアクセス遅延クロック数を設定する。
 - `-g'
 - `--gdb'
 - gdbによるリモートデバッグを行う。
 - `-h'
 - `--help'
 - 実行方法の簡単なヘルプを表示する。
 - `-m'
 - `--monitor'
 - モニタモードで実行を行う。
 - `-p<n>'
 - `--processor=<n>'
 - プロセッサ数を指定する。
 - `-v'
 - `--verbose'
 - 冗長なメッセージ出力を行う。
 - `--udp'
 - gdbによるリモートデバッグの際にUDPを使用する。
 - `--version'
 - シミュレータのバージョン情報を表示する。
 
 3.4 isis_sncache_illinois 
複数のR3081プロセッサを共有バスで結合した、バス結合型並列計算機シミュ
レータである。illinoisプロトコルによるスヌープキャッシュを持つ。
関連: See section 12. スヌープキャッシュ.
- `-c'
 - `--clock'
 - 実行に要した総クロック数を実行後に表示する。
 - `-d<n>'
 - `--delay=<n>'
 - 共有メモリのアクセス遅延クロック数を設定する。
 - `-g'
 - `--gdb'
 - gdbによるリモートデバッグを行う。
 - `-h'
 - `--help'
 - 実行方法の簡単なヘルプを表示する。
 - `-l<n>'
 - `--linesize=<n>'
 - キャッシュラインサイズをワード単位で指定する。
 - `-m'
 - `--monitor'
 - モニタモードで実行を行う。
 - `-p<n>'
 - `--processor=<n>'
 - プロセッサ数を指定する。
 - `-s<n>'
 - `--cachesize=<n>'
 - キャッシュサイズをバイト単位で指定する。
 - `-v'
 - `--verbose'
 - 冗長なメッセージ出力を行う。
 - `-w<n>'
 - `--way'
 - キャッシュのウェイ数を指定する。
 - `--udp'
 - gdbによるリモートデバッグの際にUDPを使用する。
 - `--version'
 - シミュレータのバージョン情報を表示する。
 
 3.5 isis_tracemaker 
複数のR3081プロセッサをマルチポートメモリで結合した並列計算機シミュレー
タである。メモリ参照のアドレストレースファイルを出力することができる。
- `-a'
 - `--all'
 - プロセッサの1次キャッシュを切り離し、すべてのメモリアクセスをトレース
ファイルに出力する。
 - `-c'
 - `--clock'
 - 実行に要した総クロック数を実行後に表示する。
 - `-d<n>'
 - `--delay=<n>'
 - 共有メモリのアクセス遅延クロック数を設定する。
 - `-g'
 - `--gdb'
 - gdbによるリモートデバッグを行う。
 - `-h'
 - `--help'
 - 実行方法の簡単なヘルプを表示する。
 - `-m'
 - `--monitor'
 - モニタモードで実行を行う。
 - `-p<n>'
 - `--processor=<n>'
 - プロセッサ数を指定する。
 - `-s'
 - `--silent'
 - トレース出力を行わない。
 - `-v'
 - `--verbose'
 - 冗長なメッセージ出力を行う。
 - `--udp'
 - gdbによるリモートデバッグの際にUDPを使用する。
 - `--version'
 - シミュレータのバージョン情報を表示する。
 
  
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by Masaki WAKABAYASHI on September, 3  2003
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