以前のリビジョンの文書です
MuCCRAとは?
MuCCRA(マクラ)とは,「動的リコンフィギャラブルプロセッサ」の一つであり,”Multi-core Configurable Re-configurable Architecture”の略称です.
MuCCRAという言葉のそれぞれの単語は,次のような意味を持ちます.
- Configurable : アプリケーションや用途により,アーキテクチャを柔軟に変化させる
- Re-configurable : アプリケーション実行中に,ハードウェアの構成やデータパスを切り替える
- Multi-core : これらのアーキテクチャを一つのチップ内に複数配置し,全体として大きなアプリケーションを実行する
MuCCRAのイメージを下図に示します.
それぞれのPEアレイはアプリケーションごとに適切な構造を持ち,アプリケーション実行中にもそのPEの構造を柔軟に変化させることで,効率的に処理を実行していきます.
MuCCRAの研究背景
動的リコンフィギャラブルプロセッサの利点
研究内容
MuCCRAグループでは,アーキテクチャの研究に加え,回路レベルでの研究,ソフトウェアレベルでの研究も行っています.
回路レベルでは,パワーゲーティングを用いた低消費電力化などの研究を行い,より動的リコンフィギャラブルプロセッサの消費電力を落とす手法について研究しています.
アーキテクチャレベルでは,MuCCRAの結合網やPEの構造の研究はもちろん,MuCCRAを何個も接続し,その上で複数のアプリケーションを動作させるためのマルチコアの研究も行っています.また,構成情報をより効率的に転送する方法などについても研究や,より回路を小さくする手法も検討しています.
システムソフトウェアレベルでは,MuCCRA向けアプリケーション開発環境,すなわちアセンブラやコンパイラの研究を行っています.ソフトウェアレベルでの低消費電力化についても研究を行っています.
アプリケーションレベルでは,動的リコンフィギャラブルプロセッサ向けのアプリケーションの開発,たとえばメディアストリーミング処理のアルゴリズムをMuCCRA上に実装し,その性能向上率や消費電力について研究しています.
このように,複数のレイヤ,視点から研究を行うことにより,それぞれのレイヤの欠点を補うようにしています.たとえばハードウェアで実現が難しい点は,ソフトウェアでの検討を行い,プロジェクト全体での性能向上を図っています.