最初, 戻る, 進む, 最後, 目次 に行く。


16.4 置換モード

各ファイルには既定の置換モードが設定されており、 作業ディレクトリの各ファイルの置換モードも別々に設定できます。 前者は cvs addcvs admin に オプション `-k' を付けて設定します。 後者は cvs checkoutcvs update に オプション `-k'`-A' を付けて設定します。 cvs diff にも `-k' オプションがあります。 例が幾つかありますので、「17 バイナリ・ファイルの扱い」 参照。

利用できるモードを以下に示します:

`-kkv'
既定形式でキーワード文字列を生成します。 例えば、キーワード Revision に対して $Revision: 5.7 $ が生成されます。
`-kkvl'
`-kkv' とほぼ同様ですが、 指定されたリビジョンがロックされていれば、 ロックしている人物の名前を挿入します。 普通 CVS ではこのオプションを使いません。
`-kk'
キーワード文字列からキーワードのみを生成し、その値は省略されます。 例えば、キーワード Revision に対して、 $Revision: 5.7 $ ではなく、 $Revision$ が生成されます。 このオプションは、リビジョン間の違いを比較する時、 キーワードによる違いを無視するのに便利です。
`-ko'
そのファイルが格納される前の、 古いキーワード文字列を生成します。 例えば、キーワード Revision に対して、 $Revision: 5.7 $ ではなく、 ファイルが格納された時の文字列である $Revision: 1.1 $ が生成されます。
`-kb'
`-ko' と同様ですが、 リポジトリに格納される標準的な行末形式 (ラインフィードのみ) を、 クライアント側のオペレーティングシステムに適した形式へ変換しません。 行端にラインフィードのみが使用されるシステム (UNIX 等) では、 このオプションは `-ko' と同じです。 バイナリファイルの詳細情報は 「17 バイナリ・ファイルの扱い」 参照。
`-kv'
キーワードの値のみを生成します。 例えば、キーワード Revision に対して、 $Revision: 5.7 $ ではなく、 5.7 が生成されます。 これは、$Revision: $ といった、 キーワード識別子を除くのが困難な プログラミング言語のファイルを生成する時に便利です。 しかし、キーワード名が削除されてしまうために、 これ以後はキーワード置換を行うことができません。 従って使用には注意が必要です。 オプション `-kv' は、cvs export で使用される事が 多くあります (「A.9 export--CVS からソースを取り出す, checkout に類似」参照)。 しかしモジュールがバイナリ・ファイルを含む場合は、 うまく処理できないので使用しない方が賢明です。


最初, 戻る, 進む, 最後, 目次 に行く。