最初, 戻る, 進む, 最後, 目次 に行く。


A.11 import--CVS にソースを取り込む, ベンダー枝を使用

import を用いて、外部の供給元 (例えばソース・ベンダー) からのソース配布物全体を、自分のリポジトリに取り入れることができます。 リポジトリを最初に作成する場合と、外部の供給元がモジュールを 大幅に更新した場合の両方でこのコマンドを用います。 この件については 「12 サード・パーティーのソースの追っかけ」 も参照して下さい。

repository には、リポジトリにするディレクトリを、 CVS のルート・ディレクトリからの相対パス名で指定します。 指定したディレクトリが存在しなくても自動的に作成されます。

(前回の import から) ずっと変更を加えてきたリポジトリに対し、 ソースを更新するために import を用いると、 互いの開発系統間で衝突が発生したファイル全てが報告されます。 この時 import から具体的な指示がありますので、 それを参考にしながら `checkout -j' を使って変更点を取り入れて下さい。

CVS が無視するように設定したファイルは (「B.8 cvsignore でファイルを無視する」参照)、 import の際にも取り込まれず、無視したことを示すため `I ' に続けてファイル名が表示されます (出力に関する完全な説明は 「A.11.2 import の出力」参照)。

`$CVSROOT/CVSROOT/cvswrappers' が存在する場合、 このファイルの記述に合致するファイルやディレクトリは 各々一括して扱われ、リポジトリに取り込まれる前に、 適切なフィルタが適用されます。「B.2 管理用ファイル cvswrappers」参照。

外部からのソースは第一層の RCS 枝、既定だと 1.1.1 に保存されます。 以降の更新は全てこの枝の葉となります。 例えば最初に import したソース集合のファイルは リビジョン 1.1.1.1 になり、次の import で そのファイルが更新された場合には 1.1.1.2 となり、以下同様に続きます。

少なくとも次の三つの引数を指定する必要があります。 まずソース集合を識別するために repository が必要です。 次の vendortag は枝全体 (例えば 1.1.1) を示すタグ名です。 そして import を実行する度に作成される葉のうち、 どの葉のファイルかを識別するため、 最低一つの releasetag を指定しなくてはいけません。


最初, 戻る, 進む, 最後, 目次 に行く。